圭子「ねぇ、あんたニンニク食べた?」

進之介「食べてないよ」

ゆかり「食べてるでしょ。超臭いもん」

進之介「食べてないって」

浩二「お前さっきキムチ食ってたじゃん」

圭子「ほらね」

進之介「食ってねぇって!」

ゆかり「ちょっと大声出してツバ飛ばさないでよ、臭いんだから」

進之介「マジで食ってねぇんだって!」

絵里子「ねぇ」

進之介「いやほんとに俺食ってね…」

絵里子「ねぇ!」

一同、絵里子を見やる。

絵里子「私、太陽が隠れて夜になったらいよいよコウモリになるね」

圭子「やだそうだった! 今日は絵里子がコウモリになって消える日だったね」

ゆかり「臭すぎて忘れるところだった。絵里子、コウモリになっても元気でね」

絵里子「コウモリになって私が闇をまるごと連れていくから、あなた達は安心して光を生きてね」

浩二、泣き出す。

圭子「ちょっと泣かないでよ〜、笑顔で見送ろうよ」

浩二「ありがとう… ありがとう… 絵里子、お前ほんといい奴だな」

進之介「なぁなぁ、最後にひとことだけ言わせてくれ。そういえば俺さっきキムチ食ったかもしれない」

ゆかり「お願いだから黙って」

2019 San Francisco