2019,9,15 BIG ISLAND

ハワイ島のことを、こちらでは “Big island” と呼ぶ。ハワイ諸島の中で最も大きい島だからだ。でも反対に、島が誕生したのはハワイ諸島の中で最も若く、約40万年前。大噴火によって生まれたこの大きな島は、若々しく、エネルギッシュなパワーに満ち満ちているそう。それは、昨日ハワイ島・コナの空港に降り立った瞬間に体感する事ができた。マウイ島とは全然違うエネルギー。比べると、マウイ島の方がマイルドでまろやか。対してハワイ島は、野生的で荒々しい。それは空港からの景色を見てもわかる。どこまでも広がる黒い溶岩地帯。オアフ島のあの超トロピカル・リゾートなイメージを持っていると火山の女神・ペレから往復ビンタを食らわせられる。

目ぇ覚ましやあんた!! ここはそんな甘っちょろい島やないで!!! 今も噴火がいつ起こるかわからん、エキサイトな島なんやで!!! レインボーなカキ氷とか期待しとる場合ちゃうんやで~!!!!!!

ペレが関西弁かどうかは知らないが、ナメたらあっかん~的、荒々しさがあるのはたしか(ペレ=天童よしみ?)。なのに、なぜかすごくリラックスする。初めてアメリカ・西海岸のBerkeleyに降り立った時のそれと似ている気がした。景色が荒々しい分、Berkeleyほどのトキメキは無いが、エネルギーがぴたっと合うこの感じ。久しぶりの感覚だった。この島では良い事しか起こらない気がする。そんな予感がした。

と、長々書いたが、要は、ハワイ島、めっちゃええ感じやん、ってことです。

ハワイ島では2つの場所に滞在する。

ハワイ行きが決まって、まず最初に決めたのは、ハワイ島に行く事。そして、ケイコ・フォレストさんに会う事。ケイコ・フォレストさんは、僕が大好きな本「ヤナの森の生活」の著書であり、ナチュラリストでアルケミストでミディアム(霊的媒介者)でもある僕がずっと憧れていた女性。今はハワイ島・プナ地区のジャングルの奥で “The village” という場を営みながら暮らしている。ケイコさんとは面識はなかったが、共通の友人もいたりして(ささたくや君)、なんとなく会えそうな気がしていた。久嶋君と、「せっかくハワイ島に行くならケイコさんに会いたいよね。でもどうやってコンタクトを取ったらいいのかな」と話していたらその週末にお話会がある事が判明して、すぐに予約。ケイコさんに会いたいね、と、口に出して間もなく本当に会える事になった。でもお話会ではお客さんも多くてケイコさんと直接会話をする事ができなかったが、その数日後に鎌倉山の我が家に遊びに来てくれた仙台のJunko Aveさんがケイコさんとすごく仲良しという事がわかり、その場でケイコさんに電話をしてくれて “The village” に宿泊する事が決まった。ケイコさんは僕たちをお話会で見て好印象を持ってくれていたみたいで、大歓迎してくれた。ただ、ケイコさんの住むプナ地区は、コナ国際空港から2時間もかかり、しかもジャングルの奥地なので、ハワイ島に移動してすぐに向かうのはちょっとハードル高めだね、という事で、コナ国際空港から車で15分の場所にあるJunkoさんとケイコさんのお友達のお家にハワイ島の初日と2日目に宿泊させてもらう事になった。”The village” には、3日目と4日目に滞在する。ふぅ…。この、完全に導かれてる感。完璧な流れ。

今朝はそのJunkoさんとケイコさんの共通のご友人、シンジさんのお家のゲストルームで朝を迎えた。ベランダの下に広がる約1,000坪の庭、というかジャングルには、たくさんのトロピカルフルーツの木が植わっていて、その間を鶏が走っている。朝食はジャングルと海が一望できるテラスで、採れたてのパパイヤで作ったスムージーと、久嶋くんお手製のアボカドのサラダをいただく。もちろんアボカドもジャングルから。シンジさんはここでコーヒーを育てたり、フルーツや野菜を育てながら暮らしている。奥様はちょうど仕事で日本に行っていて不在だそう。シンジさんは、ハワイに住むダンディかつリラックスな雰囲気の、お話し好きの素敵なおじさま、という雰囲気。昨夜はカレーをご馳走になりながら、ハワイ島の事をたくさん教えてもらった。

「ハワイ島は来れる人しか来れない場所なんだよ。ハワイ島旅行の直前に熱出して来れなくなる人なんてたくさんいるよ。エネルギーが合わない人ははじかれちゃうんだ」

その話を聞いて、僕たちはペレにはじかれず無事に来ることができて良かったと安堵した。晩ご飯のあと、庭のジャグジーで星を見ながらお風呂をいただいた。ジャングルの真ん中で、ジャグジー風呂。なんという奇跡。奇跡が起きる島、それがBig Island。

今日は特に予定を入れてなかったので、シンジさんオススメのホナウナウというビーチに泳ぎに行く事にした。朝食を済ませた後、シンジさんにシュノーケリングのセットを借りて出発。車を飛ばして40分。着いた先は、真っ黒の溶岩で覆われた、ゴツゴツしたビーチ。マウイ島で行ったような美しい砂浜を想像していたから、2人で面食らう。ペレの往復ビンタ。ハワイ島、渋いわマジで。

初めてのシュノーケリング。海の中が本当にきれいで、色とりどりの魚をたくさん見られて楽しかったが、僕も久嶋君も足ヒレがうまく使えず、陸に上がるのに大苦戦。久嶋君に至ってはびっくりするくらい傷だらけになって岩場に這い上がっていた。土曜日だから人も多くて、なんだかクタクタになってしまった。

そこからコナに戻り、ハワイ島で人気のオーガニックマーケット・Island Naturalsへ。デリをいくつか買って、隅のイートインスペースで遅めの昼ごはん。カレー風味のチキンサラダを巻いたグルテンフリーのラップサンドに、野菜のココナッツミルク煮、RAWのガトーショコラ。マーケットのデリにしてはどれも美味しい。倉庫のようなだだっ広い空間に、面白いプロダクトや素朴なデリがずらり。この、お洒落でもなんでもない雰囲気もたまらない。僕たちはこういう感じのマーケットが大好き。僕たちがBerkeleyに訪れる度に通うモントレーマーケットやナチュラルグロサリーに少しだけ似ている気がした。

夕方になったので、せっかくだからビーチに夕陽を見に行こう、という事になり、Google mapでチェックをしていたマノク・フィッシュ・ポンドという海辺の池へ。なぜここをチェックしていたのか記憶が曖昧だが、たぶんマウイ好きのたまちゃんに、ハワイ島のビーチでオススメなのはここよ、って教えてもらった気がする。

そこから車をどんどん北上させる。1時間くらい走っただろうか。Googleを頼りに到着したのは、なんだかラグジュアリーなゴルフ場。目的地の池のすぐそばまで来てるはずなのに、なかなか辿り着けない。気づいたら同じ道を車でぐるぐるまわっている。いわゆる、迷子。しょうがないので、ゴルフ場の駐車場に車を止めて、歩いて池まで向かう事に。Google mapの指示通りにゴルフ場のど真ん中を突っ切っていく。これ、不法侵入とかじゃない? 大丈夫? と、ビクビクしながら歩く。でも、ゴルフ場って何にも遮るものがなくて、気持ちいい。ゴルフ場を抜けると、やっと池が見えてきた。椰子の木がぐるっと囲んだ池がいくつか点在している。「ここ、で、いいんだよ、ね…?」と、Googleを何度も確認したがここに間違いない。たしかに素敵なんだけど、わざわざ1時間かけて、迷ってまで来る場所だったのか…。とりあえず、池のほとりを散歩してみる。進んでみると、小さなビーチに出た。ちょうど夕暮れ時で、砂浜に2人で腰掛ける。

「なんでここまで来たんだろうね」「不思議だねぇ」

と、2人で話しながら夕陽を眺める。すると、ふと、僕はこの場所に以前暮らしていた事がある、と、思い出した。たぶん、マウイのイアオ渓谷で禊をした時に見た、ヒーラーのおばあちゃんだった頃に。ここは、僕の前世の古巣だったかもしれない! そう直感したら、なんだか景色が全然違ってみえた。そして、ここでならワンネス・ステーション(瞑想状態になって、宇宙の源からメッセージを得るセレモニー)ができるかもしれない! と思い、久嶋君と2人で目を閉じて、チャネリングを試みた。ビーチでワンネスをやるのは初めてだったが、すごく気持ちよくチャネリング状態になる事ができた。いつもは宇宙の源からメッセージを得られるが、今回はペレからメッセージが届く。今の僕たちに必要な言葉をたくさん伝えてくれた(ペレは関西弁の天童よしみではありませんでした)。ワンネスを終えて目を開けると、空が夕焼けでピンク色に染まっていた。僕の魂は、ずっとずっと昔も、この場所でこういう風にチャネリングをしてペレの言葉を降ろしていたかもしれない。そう思うと、なんだか果てしない気持ちになった。時代は繰り返される。

家に戻って、シンジさんにマノク・フィッシュ・ポンドに夕陽を見に行ったと伝えたら、

「あぁ、あそこは昔、ハワイアン達が暮らしていた場所で、セレモニーとかも行なっていたんだよ。つい最近ゴルフ場になっちゃったんだけど、それまでは聖地だったんだ」

と、言った。

僕たちは顔を見合わせた。Big Islandは、そんな奇跡が起きる島。